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執筆者の写真五十嵐 直樹

住まいづくりは暮らし方から決める

7月にネイティブディメンションズ一級建築士事務所の鈴木さんが自邸を新築されたので、見学に行ってきました。


右手前の可愛らしい木の箱が鈴木さんの事務所で、左奥のガルバリウム外壁が住居の二棟形式になっています。


こちらの概要は鈴木さんのブログから引用します↓

・51坪の土地に16.44坪の自宅と3.75帖のウッドデッキと4.6帖の離れと2台分の屋根付き駐車スペースがあるお住まいです。

・3人+時々4人家族がゆったりと過ごすワンルームタイプのお住まいです。ミニストック-01と同じ3間×3間のいわゆる9坪ハウス、最小限住居です。

性能評価取得住宅です。

許容応力度計算による耐震等級2、積雪1m、各階各方向の平均偏心率は0.05以下です。

・太陽光発電3.69kWを載せたゼロエネ達成率98%のBELS取得住宅です。

・外皮熱損失量61.89W/K、平均熱貫流率0.32W/㎡K、設計一次エネルギー消費量26.6GJ。シミュレーションによる平均月額光熱費¥12,985のお住まいです。(電気単価¥40,ガス単価¥190で計算。売電分を除く)


ミニストックとは、鈴木さんが提唱する住まいのカタチシリーズ。

考え抜かれた「小さいけど豊かな家」だと私は認識してます。

通称「タバコ屋」という名のついたらしい新事務所。土間には通常室内で使われるフローリング材が敷いてあります。鈴木さんとコラボした笹口の家でも採用したチークのパーケットフロアですね。

雨に濡れると反ったり伸びたり暴れたりするので、まぁ普通はこんな使い方はしません。笑

自邸だけあって、色々と実験しているそうです。これだから、業界人の自邸は面白いんです!


玄関入るとどでかいテーブルがドーン!6人座っても余裕です。

窓からはウッドデッキ越しにタバコ屋の背中が見えます。そのお陰で、道路向かいの家とは目線も合わないので障子を開けっぱなしてても気になりません。


吹き抜けを見上げる。写真左側から階段を上って、右上の2階に上ります。この中心の吹き抜けを介して、1階と2階が緩やかに繋がっています。


2階吹き抜けからテーブルを見下ろす。

というか、1階のこのスペースはほぼテーブルです。床がちょっとしか見えない。

リビングとか、ダイニングとか、間取りが空間を決めているというよりは、その場所でどう過ごすのか、から空間が成り立っているという感じです。イマイチ自分でもちゃんと解説できてるか分かりませんが、写真と文章でこの建物を解説するのは非常に困難だという事です。でも私も頑張るので、皆さんも頑張ってください。


1階の他の部分は水回り。かっちょいいキッチンの写真を撮り忘れていたので、こちらも鈴木さんのブログから拝借致しました。

コの字型の造作キッチン。天板はいつものモールテックス仕上げ。置く物とそのポジションがしっかり決まっているので、物が少なくないのに雑多感がありません。素敵!


2階から吹き抜けと窓を眺める。

写真左側には共用のクローク。


ロフトに上る途中から、2階を見下ろす。

ソファみたいなのを広げると、そのままマットレスに。ここで並んで寝るそうです。

寝室、という固有の部屋は存在しません。


そしてロフトは娘さんのスペース。

奥にエアコンが設置してあり、夏はこのエアコンで全館冷房。冷たい空気は自然と下へ流れますから、2階を通って吹き抜けを通って1階まで下りて行き、代わりに上ってきた暖気をまたエアコンで冷たくして循環させる、という仕組みですね。

この日も猛暑でしたが、家の中は快適空間そのものでした。


冬は逆に、高基礎空間に設置してある床下エアコンによる全館暖房となります。シンプル。


と、ここまで頑張って解説してきましたが、やっぱり無理でした。実際に体感しないと理解できないと思います。笑

これで面積16.44坪ですよ。大体一般的な住宅で30坪くらいですから、大体半分くらいという事です。


細かい部分まで理にかなっていて、いい家だなぁと素直に思います。日常のちょっとしたストレスが少なそう。広くないから、掃除もすぐ終わりますしね。もうこのまま住みたい。

でも、昨日ブログで書いた加藤建築さんの伝統工法の家とはまるで別物ですよね。一体お前はどっちなんだと。ごめんなさい。

別にどっちが良いとかそういう問題ではなく、どっちも良いんです。どっちもアリ。

というよりも「どう暮らしたいかで、どっちの住まいかが決まる」かなと。


例えば、私の場合。

生まれ育ったのが魚沼の山に囲まれた田舎なもんですから、やっぱり郊外の広い敷地にゆったりと暮らしたい欲があります。多少不便でも、自然に囲まれて。

天気のいい日は外でご飯食べたり、お酒を飲んだり。友人家族を呼んでバーベキューも。

そんな暮らしのイメージだと、加藤建築さんの手掛ける伝統工法の住まいがいいな~って思います。多分土地も安いでしょうから、その分建物にお金をかけれます。立派な梁とか。


でも、現実はそうも行きません。専門学校で新潟市に来た田舎者の私が最初に感じた事

「家と家の距離、近すぎない?」でした。まぁ、未だに思いますけど…笑

で、今は結婚して子供も出来て、長男は小学校に通ってます。私だけの暮らしではありませんから、家族での暮らし方を考えないといけませんよね。

隣地の離れも少なくかぜが通った所でぬるい風、カーテンを開けても隣の家。そんな新潟市内の住宅地で暮らすなら、鈴木さんのミニストックがいいです。

日頃の家事は極力省エネでこなせるし、週末は家族で大好きなアウトドアへ行く。だからそもそも、贅沢で広い家なんていりません。その分大自然の中でキャンプしますから


このように、その人、その家族の「暮らし方」があると思います。今は出来ていなくても、理想の暮らし方でもいいです。

なので、間取りとか、仕様とか、性能とか、そういう前に暮らし方を決めましょう。きっとそれが、良い住まいづくりの大切なポイントではないかなと考えています。

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