皆様、こんにちは。
今日は、「私がリフォーム会社を継いだワケ」というテーマで書いてみます。
結論から申し上げますと、私個人が
「気に入ったものを使い倒す」
「物に愛着を持ちやすい」
という価値観を持っているからだと考えます。
つい先日も、長年乗っていた走行距離22万キロを超えた旧型のストリームを手放し、中古車で走行距離が9万キロちょいのフィットに乗り換えをしました。
新車には全く興味がなくて、むしろ古ければ古いほど魅力を感じる方です。
ただ、仕事で普段乗る車ですから、それなりの車を選択しました。
他にも例えば、空き家だったり、使われていない建物なんかを見かけると、「可哀想に…私が直して、上手く使ってあげたい」とか考えちゃうんです。
建物を直す方法だったり、空間構成の組み直しなんかを勝手に脳内で妄想してしまい、こんな暮らしができたらいいなぁとか、こんなお店を開いたらいいなぁなんてことをしょっちゅう考えてしまうんですね。ある意味、職業病です。
でも、それは叶わない事が多いワケです。やがて取り壊されたり、そのまま放置されたり。
そんな建物を見かけるたびに悲しい気持ちになってしまう、そういう人なんです。
だからこそ、リフォームという仕事にやり甲斐を感じているのだと、考えています。
では、簡単に私の職歴を交えて、経緯を詳しく説明しますね。
建築の専門学校を卒業したあと、新潟市内のハウスビルダーに就職しました。
小規模な事務所でしたが、当初は年間12棟以上の新築住宅を設計から施工まで請け負っている会社で、住宅の作り方を実務から学びました。
その後独立開業し、ここでもまた主に新築住宅を手がけます。前の会社でやっていた事なので得意でもありますし、そもそも新築の依頼が多かったというのもあります。
ただ、独立する頃から心に浮かんだ問いが、ひとつ。それは
「これから空き家が増えていくのに、新築って必要かな?」
でした。
もともと最初に書いた様な価値観を持っているワケですから、この考えに行き着くのは当たり前ですよね。そして建物を直す知識、技術は持っているので、その先を想像できてしまうのです。
ですが、一般の方はなかなかそうは行きません。今、目の前に広がる古びた建物でしか想像が膨らまないんだと思います。そして直すのにも新築同等、むしろそれ以上のお金がかかる。だから、想像しやすい新築を選ぶ。これも当然です。
でも、なんとかならないもんかなぁと、常々考えておりました。
そんなモヤモヤを抱えながら仕事を続けていたある時、今の会社の前社長である有坂さんから
「そろそろ自分も一線を退きたいと考えているけど、跡取りがいないので困っている。五十嵐くん、リフォームには興味はあるかい?」
という趣旨の相談を受けました。
たまたま身近で建築に従事している若者の私に、突然白羽の矢がたったのです。
それから4年ほど準備期間などがあり、私の幼馴染である山本を別業界から引き入れ、今年の入社へと繋がったワケです。
今考えると、こうなったのも当然の成り行きだったと思えますし、半年ほどリフォームをメインに仕事をさせて頂いて、性に合っているとも思えます。
ここで一応説明しておきますが、私は新築がダメでリフォームがイイ!とか、そういう話をしているのではなく、ただ個人的な好き嫌いの話をしているだけですので、あしからず。
新築は新築で、自分がゼロから設計した空間を作り上げていくというのは楽しいです。
ゼロがスタートで1を積み上げて、100を目指す。そんなイメージです。
それと比較してリフォームはゼロからではなく、スタートが70とか、50とかから始まって、時には25くらい引いてから46を足したり、ある10の部分に2をかけてみたり。
こんな風に新築の時とは違ったイメージを持っています。
新築よりも条件がある程度決まってしまっているから、その中で工夫して高得点を目指さないといけない、という難しさがあるワケです。
当然手間もかかりますから、費用も高くなる。
ただし、やり甲斐は間違いなくリフォームの方があると、私は感じています。
小さい頃からパズルやなぞなぞやクイズなんかが好きだったのも影響があるのかもしれません。
今目の前にあるものと、自分の中にあるものを組み上げて、形にしていく。
それが私の得意な事なんだろうなぁと、最近になって自覚しました。
そうやって試行錯誤した空間で、また人の営みが繋がっていく。
それが何より、好きなんでしょうね。
という事で、今回はこの辺で。また次回をお楽しみに!!
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