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執筆者の写真五十嵐 直樹

ゲームで学ぶ「SDGs×観光まちづくり」

同じ古民家再生協会のメンバーである高橋さんのお誘いで、新潟県阿賀町にて行われた「SDGs×観光まちづくりゲームWS」に参加してきました。



結論から言うと、非常に良く出来たゲームでした。

実際にゲームには参加しませんでしたが、会場をウロウロし時には参加者の方と相談したりしながら、全体を眺めていました。


参加者は総勢24名。全員で仮想の町のまちづくりを行うというカードゲームです。


2名一組で「行政」「飲食店」「市民」など異なる役割を担い、同テーブルの2組が1グループ、相談しながらゲームを進めます。

それぞれ異なったゴールが設定されているので、達成する事を目標に行動していきます。


まず最初に仮想の町の魅力バラメーターを設定します。食、観光、歴史、体験といったその町が現状持つ特徴というイメージですね。

これがゲームを進める事で刻一刻と数値が変化し、それによって行動の結果が全く異なってくる。文字で読むとなかなか伝わらないと思いますが、簡単に言えば自分の思い通りにはならないという感じです(笑)


各組に配られるのは「事業カード」「地域カード」「資金」

これを1ターンにつき1枚づつ、計2枚を運営に提出して実行します。

中には資金が必要なカードもあり、提出の際には資金も合わせて出します。


その結果が成功するとバラメーターが上がったり、資金を獲得できますが、状況によっては失敗してパラメーターが下がったり、何も起きなかったりします。


これを4ターン繰り替えし、最終的に目標が達成できたのか、各魅力パラメーターはどう変化したのかなどを共有できるようになっています。



今回参加者の皆さんを見ていて特に興味深かったのは、資金についてでした。


ルールの中に

・別グループと相談はできるけど、事業と地域カードは他グループとは交換できない

・資金のやりとりはできる

とありました。


このルールを見た時に「資金は他のグループから融通して貰うのはアリですか?」と運営の方に耳打ちして確認したら「カードはダメですけど、資金はOKです」と。

つまり、この活動やりたいけど資金が足りない!という状況になったら他グループから貰うなり借りたりすればいいんですね。(ちなみに「銀行」という役割はありませんでした(笑))


でも、参加者の方はどうもその視点はなかったようで、自分達の手持ちの資金の中でしか戦略を立てていないように見受けられました。


それも仕方がないかな~と思う事はありまして…

参加した皆様を全て把握している訳ではありませんが、今回は自治体向けの研修という事と作業着を着ている方が多かった事で(笑)恐らくほぼ皆さんが阿賀町の役所や付随する仕事をされている方だと思われます。


だからこそ「最初に割り当てられた予算しか使えない」と自然と捉えてしまっていたのかもしれません。

私は民間で小さながらも会社を経営している事もあり、資金は融通しあうものだという認識があります。

資金に対する意識の違いってやっぱりあるのだなぁと、改めて考えさせられました。

その発想があるのとないのとでは打ち手が全く異なるので、間違いなく結果も異なってきます。

やっぱりお金の勉強って、私も含め全ての人に必要だなと思います。



そんな同じグループ内でしか相談をしていない皆さんを差し置いて、すぐさまグループを飛び出し行動したのが実際にゲームに参加していた同協会メンバーの高橋さん。流石です!


多額の資金が必要なカードを持って「行政」役に一直線。やりたい事業についてプレゼンし始め、だからこれだけ資金を下さい!と頼んでいました。

グループの中でもひと際多くの資金を持っている「行政」役ですから、高橋さんは狙い撃ちして何度も通っていました(笑)


私もそんな様子を見ながら「これやりたいんだけど、資金が足りないなぁ~」なんて言ってる方に「資金、他から貰えるみたいですよ~」とそっと教えたりして、ゲームの流れを楽しみました。


ゲームの結果としては、街の魅力パラメーターもかなりアップし、12組中11組が役割の目指すゴールをかなえる事ができました。

2ターン目まではやや苦戦している様子でしたが、3ターン目あたりから皆さんも他のグループへ情報交換に行ったりし始めた事が上手く行った要因に思えました。


多分、高橋さんのように率先して他グループと交わるような方がいなければ、きっと結果は違っていたのだと思います。

周りを気にせず行動する人、これも地域活性化には必須なんでしょうね。


もちろんこんなに上手く現実のまちづくりは進むとは思いませんが、とは言え現実のまちづくりとも共通した事は多いかもしれないと感じました。本当に良く出来たゲームです。


地域や官民連携でのまちづくりを進める最初の一歩としてこのゲームをやってみるのは、有効な一手と言えるかもしれませんね。

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