先回のブログで少しだけ触れた件について、勝手に色々と考えてみました。
大野町の長屋完成見学会に来られた近隣にお住まいの高齢の女性お2人が「近くに食料品店がなくて本当に困るのよ」とお話を聞かせてくれたんです。
お2人とも70~80代でしょうか、車の運転はしていないそうです。
旦那さんも免許を返上したので、基本的に車での買い物はできない。でも、徒歩圏内だとスーパーもなくて大変なのよ、と。
それは確かに大変です。私も近隣にチラシを配って回りながら町を眺めていましたが、元は大きな商店街だった大野町も多くの店舗が営業しておらず、いわゆるシャッター街に。
飲食店は数件あっても、その他はお菓子屋さん、精肉店がかろうじて営業している程度でした。食べ物以外のお店も、チラホラと。
お話を聞いていると、実は今回改修した建物は以前お豆腐屋さんで、総菜なども販売していたそう。店先ではお茶飲みスペースもあり、近所の方の憩いの場の一つでもあったそうです。
そんな経緯もあり、今回の工事も「あら、お店ができるのかしら。楽しみね」と思っていたんだそうですが、ごめんなさい、住居でした(笑)
そんなお話を聞きながら頭の中で考えていたのは、同じ西区で元は大きな商店街という共通点のある内野町の事でした。
内野町には昔から営業している「いちまん」というスーパーがあります。鮮魚が豊富なので、我が家もたまに買い物に行きます。
内野町の商店街にもほど近く、場所にもよりますが大体徒歩10分くらいなので生活には困らないですね。
では大野町では一番近いスーパーはどこだろうと思い調べてみました。
今回見学会をした商店街の辺りからだと、徒歩20分ほどで「ウオエイ」というスーパーがあります。20分…徒歩圏内と言えば徒歩圏内ですが、高齢だとなかなか厳しい距離かもしれません。
「商店街には空き店舗いっぱいあるから、そこを使ってお店でもやってくれたら助かるんだけどね~」とお2人。なるほど、そうですね~なんて返事をしながら、その可能性についても色々と考えました。
【徒歩圏内に食料品店が欲しい】
という需要は確かにありそうです。現にお2人から直接聞きました。場所も空き店舗だらけなので、まぁ実現は出来そうです。
でもここで考えるべきは「以前は食料品店があったはずなのに、なくなってしまったのは何故か?」を検討するべきです。
明確な理由は分かりませんが、大方
・車で商店街ではない大型スーパーに買い物に行く人が多い
・食料品店の事業承継が上手くいかなかった
こんな理由が考えられます。これはきっと場所に関わらず商店街あるあるな気がしています。
なくなってしまったのには理由がある訳です。
もう一つ、これは有名な話ですが「マクドナルドのサラダマック売れなかった事件」も忘れてはいけません。
簡単に説明すると
①マクドナルドが消費者にアンケートをとる
②「もっとヘルシーな物が食べたい」の意見多数
③それならとサラダマックを発売!
④全然売れなくて大失敗
こんな感じです。
ここから読み取れるのは、必ずしも消費者の意見や要望が正解とは限らない、という教訓です。
もちろん、実際にそう思っている所はあると思います。嘘をついている訳ではないけど、サラダマックではなかった、という結果です。
今回の【徒歩圏内に食料品店が欲しい】という要望についても、それを鵜吞みにして空き店舗を食料品店としてオープンしても、上手くいかない可能性は高いと思いました。
もしかしたら週に1回くらいしか買い物に来てくれないかもしれないし
商品が気に入らないといって買い物に来てくれないかもしれないし
近隣の方も車を運転している人は大型スーパーに変わらず行くだろうし
お店側と消費者側の思惑がなかなかマッチしなそうだな、と。小売業ってやっぱり在庫との戦いな気がします。期限もあるから、売れなきゃ破棄ですからね。
そこでもし私が大野町でこの課題に対してアプローチするなら、この2種類かなと考えました。
①空き店舗で気軽に寄れる「茶飲み場」を開く。更に毎日ではなく週の半分だけスーパーの移動販売車に来てもらって、買い物したい人はする。
…食料品店が欲しい、という要望の裏には「お茶飲みながら話せる場があったらいいな」が見え隠れしているような気がしました。一言で言うと、ヒマだから誰かと話したい。
まずはそんな場所を小さくてもいいからオープンしてみて、その場に既存のスーパーから移動販売車に乗って来てもらえばいいのでは、と考えました。これならもし売れ残っても持ち帰って店舗で販売できますから、廃棄は防げそうです。
ただ、これだと収支的に厳しそうです。茶飲み場としての収益+移動販売車の数%を貰ったとしても、家賃払ったら人件費出るんかな…と。そもそも人を雇えないとなれば、無人でもいいかもですね。それなら家賃次第ではなんとかなる…かも?(笑)
②五泉市の「エスマート」のような個性的なスーパーを開く。
…有名なスーパーなのでご存じの方もいると思いますが、わざわざ遠くからも人が買い物に訪れる小さなスーパーが五泉にあるんです。我が家も一度、キャンプの帰りに寄ったことがあります。他では売っていないクラフトビールが売っていて、思わず大人買いしてしまいました。
詳しい事は是非調べてみて欲しいのですが、とにかく他のスーパーとは差別化を図り、遠くからでもお店に足を運んでもらえるようなお店作りを頑張っているんです。実際、あんなに僻地なのに、賑わっている。
正直、商店街の近隣の方だけの売り上げで食料品店を経営するのは厳しいでしょう。だから、商店街の外からもお客さんを呼んでこなければいけません。外貨を稼いで、ついでに商店街の人の需要にも答える、という感じです。
という事で、ひょんなことから始まった「大野町の商店街に食料品店をつくるには」クイズへの私なりの回答でございました。如何でしたでしょうか。
私も決して経営のプロ、という訳でもないので話半分に聞いて貰えればそれでいいのですが、自分で起業したい!と考えている方、一度立ち止まってこんな風に客観的に物事を捉えてみると、意外な所に行きつくこともあります。
実際やるかどうかは別として、こんな感じで自分でシュミレーションするのは事業を興す訓練になるとは思います。
あ、でも実際にやってみたい!という方が居たらそれはそれで面白いので、連絡下さい(笑)
是非皆さんなりに考えてみて、私にこっそり貴方の企画書を教えて下さい!
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