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大野町の長屋 見学会にて

先日開催しました大野町の長屋 完成見学会にお越し頂いた皆様、ありがとうございました!

そして開催を快く了承して頂いた施主のH様、お引き渡し前に大変貴重な機会を頂き本当にありがとうございました。


工事内容、内装仕上げ、間取りなど来場された方に解説をし、概ね好感触だったのでホッとしました。(笑)

自分が良いと思ってやったことも、いざ他の方に見て頂くのは未だにドキドキします。


当日も猛暑日で9時の時点で外気温34.8℃


一番奥の部屋に設置してあるエアコン2.2kWを数日付けっぱなしで

エアコン設置室の隣では、室温25.7℃、乾燥指数(絶対湿度)14.9g/㎥



更にエアコン設置室より遠く玄関に近い部屋では、室温28℃、乾燥指数(絶対湿度)16.2g/㎥


エアコン設置室の入り口に扇風機を設置して頑張って空気を回して、こんな感じです。

外から入った瞬間は涼しい~となりますが、中で慣れると玄関近くはちょっと汗ばんでくるといった印象です。


実際はお引越しと同時にもう1台、建物の中央であるリビングにエアコンが設置されますので、もっと全体的に均一な温湿度環境が整うと想定しています。


気になる断熱性能を計算してみた所、UA値=0.33W/㎡kとHEAT20 G2水準に達する数値になりました。

ですが、実際は現場で納まりの関係で若干変更した部分もありますので、G1とG2の間くらいかなと思っております。


今回は現場が始まってから断熱仕様の変更をしたり気密シートも追加したりと、予め狙っていた性能ではありませんでした。

これも住学の同業者仲間が取り組んでいる温熱環境に対する姿勢から刺激を受け、新築だけでなく弊社の得意とするリフォーム、リノベーションでもしっかりと取り組まねばと思わされた為です。


次物件では設計、見積段階から数値目標と各種納まりを検討しています。

今物件をやってみて改めて感じたことは「段取り8分、仕事2分」とは正にその通り。

実際に現場で施工する前に8割方の検討は終えていて、職人にもそれがしっかりと伝わっている状態。

そして後は、その通りに工事を行う。


特に改修工事だと色々と工事中も検討しなければいけない事だらけなのですが、だからこそ着工前の準備が物凄く重要になります。


さて、ここからは当日見てみたかったけど行けなかったーという方向けに、何枚か写真と解説をしておきます。

ブログでルームツアー、それではどうぞ!


玄関引戸を開けて入り、奥までを見渡す。

基本的に今回は外部をほとんど工事していません。ので、玄関引戸も今までと変わらない為、開けて中に入らないと全く変わったように見えません。

玄関内部もほとんど手を入れず断熱もしていない為、玄関内部も外と同じ環境です。

外と中の緩衝地帯、といった所でしょうか。


床が一部アール型にくりぬかれているのは、既存の大きな差し鴨居という梁を撤去する訳にいかなかった為、このように現場でアレンジしました。

段差がある事を目視できるよう材質を変えていて、表面はモールテックス仕上げです。

普段は左に引戸を開けて出入りしますが、大きい物を運ぶ時だけ右の細い子ドアが簡単に外れるようになっています。これは掃き出し窓が一カ所もない為の措置です。


入ってすぐに左を向くと、オープンなセパレートキッチンが。

下台がかなり青く見えますが、実際はもう少し落ち着いた色でございます…(笑)

このシンクカウンター、今回の目玉の一つでもある「朧銀塗」という技法を用いて新潟の漆職人に特注で作ってもらった物です。


反対アングルから。


決して広くはありませんが、一人でテキパキと作業するにはし易い寸法で設計しました。

コンロ側は熱の心配もあったため、ステンレスカウンターとしています。


カウンターの半分は作業台としても、テーブルとしても兼用出来るように脚だけ設置。

お二人だけであれば、ここにバーチェアを置いて食事もできます。

当初は木製で作る予定でしたが、シンクからの水がちょっと…

ステンレスにすると手触り感が決して良くないので、テーブルとしては落ち着かない…

という経緯の末、手触り感も最高で水にも強い、漆塗りに着地したという訳で御座います。


朧銀塗の表面は、まるで金属の様な質感を持っています。ステンレスのシンクとも相性ピッタリ。


シンク下もコンロ下も棚を設けず敢えてオープンにしています。

最初からある程度設置しておくのもいいのですが、結局物を入れてみると余白ができたり、入らなかったり。

なので、一度物を全て持ってきてもらい、実際に収納するものを並べてどう置いたらいいかを考えてもらい、その結果棚が必要なら設置する、という事でお願いしてあります。


洗面脱衣室には洗面カウンターのみを設けて、洗濯機は別室のサンルームに置きます。

窓を設けず、上部のスリット採光部から隣のリビングの明かりを少し取り入れます。

カウンター上30cmだけ、水がしみ込まないようにクリア塗装をしました。


玄関、水回りと奥の寝室の中間にあるリビング。


寝室側からのアングル。

右のガラス戸の向こうは広いサンルームです。夏場は窓を開けて引戸を閉めて、冬は窓を閉めて引戸を開けて。

天気の悪い時期は締め切って除湿器を回せば、洗濯物も良く乾きます。

サンルーム内に洗濯機を置くので、洗濯後の重たくなった洗濯物をわざわざ遠くへ持って行かなくてもすぐに干せて楽チン。日々の家事の負担をちょっと減らせます。


奥の寝室。

全く同じ大きさで左右対称になってます。


寝室の窓辺には椅子に座ると丁度よい高さでカウンターを設置。

ちょっとした書き物などに便利です。


外の写真も一枚だけ。本当に変わってないので…(笑)

窓は全て新しく樹脂サッシに入れ替えましたので、その周りだけ下地を直して杉板外壁を貼り直しています。

今回は既存の外壁に馴染むように、ウッドロングエコ仕上げ。


さて、如何でしたでしょうか?

特に漆塗りカウンターは実物を見ないとその素晴らしさは体感できないのですが、少しでも雰囲気が伝わると嬉しいです。


新築と違って、改修工事は本当に毎回違います。

予算をかけてでもまるっと全部やり直し!だったら話は早いのですが(笑)

現実はそうも行きません。


予算もありますし、あと何年その建物で暮らすのか。

その後は誰か受け継ぐ人がいるのかいないのか。

その辺りも加味した見極めも必要になってきます。


と、この話をし始めたら長くなりそうな予感がするので、今回はここまで。

見学会でも相談のあった空き家の話や、改修工事どこまでやったらいいの?という見極めのお話はまた改めてのお楽しみに!

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