今日は実際に採用した建材についてまとめていきます。
まず最初に設計の鈴木さんから施主のKさんにお伝えしたのが
「私と五十嵐さんが普段使っていたり、いいなと思う建材をいい感じに組み合わせますね」
という事でした。
具体的な素材を最初から当てはめて提案するというよりは
・杉板
・マホガニーやラワンなどのベニヤ
・ケイカル板
・無垢のフローリング
・モールテックス
といった素材をいくつか例を挙げて、適材適所で使って行きますね、という感じです。
何となく鈴木さんと私の中で共通する部分はあると思っていて、恐らく
素地がキレイ
むしろ
素地の方が良い
そんな共通点というか、ドレスコードのような物があるように感じます。
鈴木さんの手掛けた住宅を見学させて頂くと、好みは似ているなぁと感じていたので、自然と相談しながら素材の選別は進める事ができました。
その素材の性能や特徴も加味しますが、何よりもその素材そのものが好き!とか、素敵だよね!という感覚で選んでいたように思います。
まずはフローリングから。
チークのパーケットフロア by アンドウッド
高級感溢れる木目が魅力的なフロアです。
30cm角の物をタテヨコ交互に貼る事で、ヴィンテージな雰囲気に仕上がるので個人的にはリノベにピッタリだと思っています。
昔の学校の教室っぽい印象、ありません?
たまたま鈴木さんが在庫していたという事と、絶対この建物に合うよね~という事で即決。
1階は4分割の4P、2階はより細い9分割の9Pと使い分けたので、同じチークでも少し違った印象になりました。
まだ床の養生を剥がしていないので実は私も全体像を見ておりません。今から楽しみです!
続いて、天井。
1階はマホガニーベニヤ by UCファクトリー
やや赤みのある木目で、床のチークと相性ピッタリです。
こちらは無塗装なので、時が経つほどに深みが出ていく事でしょう。
そして2階の天井は
ケイカル板無塗装 by どこからでも入手可能
こちらはありふれた建材なのでホームセンターでも売ってます。
一般的には外部の軒天井や、玄関ポーチの天井なんかに貼ってあり、塗装で仕上げてあります。
それを今回は素地のままで使いました。
写真では真っ白に見えますが、実際は良い感じの色むらが合って、マットで、光が当たるといい感じです。
こちらは鈴木さんの提案で、以前知り合いの設計士さんが使っていた現場を見た事があり、いい具合にラフで良かったよ~という事で採用しました。
私も内装では初めて採用しましたが、思いの外素敵に仕上がってびっくりしました。
これは金額も高くないので、お勧めです!
続いて2階の壁は
1階の天井で用いたマホガニーベニヤを壁に採用しました。
天井がケイカルであっさりしているので、壁はマホガニーにしてみようかという感じです。
ちなみに1階は
天井がマホガニーで壁はホワイト系になりますから、2階と真逆になるのでちょっと面白いですね。
1階の壁はまず、石膏ボードに塗装用の紙クロスを貼ってもらいます。
一般的なビニールクロスとは違って、やや厚めの紙という感じです。
ここに
ポーターズペイント by トレド
で仕上げます。
写真はトイレの壁天井のブルーを塗っているところ。
トイレのみ特殊な塗り方で、1度目はこのように単色ブルーを塗って、2度目は同じ塗料に石灰を混ぜて仕上げ塗りをします。
すると、石灰がぼんやりと白く浮かび上がってきて、全体的にムラのある仕上がりになります。
このペイントは私が本当に好きな塗料です。オーストラリアで生まれたこのペイント、元は歴史的な建造物などの補修用に開発されたそうです。
その為、全ての色にさりげなくアースカラーが含まれているのか、落ち着いた色合いが多いんですね。ピカピカしてない。
ちなみに色に全て個別の名前がついていて、悩んだ時に最後は名前で選ぶ、という方も少なくないんだそうです。
こちら、塗るだけで空間の質を一変できるのでかなりおススメです!
今回は全部で3色を採用していて
全体:ALMOND WHITE (塗り方:EGGSHELL エッグシェル)
トイレ:BLUE BOTTLE (塗り方:SMOOTH IMPASTO スムースインパスト)
玄関と玄関ドア:RAIN CLOUD (塗り方:EGGSHELL エッグシェル)
折角なので、玄関のみDIYで施主のKさん達と塗ってみる事にしました。
運よくGWだったので、丁度Kさんの甥っ子くん家族も参加する事ができました。
黙々と塗る甥っ子くんとKさん。
RAIN CLOUDは奥様が選んだ色で、やや紫交じりのグレーです。
非常に上品で落ち着きのある色ですね。流石のセンスです!
ちなみに全体色のALMOND WHITEにも少しだけ紫が入っているので、相性バッチリです。
実はこれだけ広い範囲でポーターズペイントを採用できた住宅は初めてなので、私個人としても非常に仕上がりが楽しみです。
最後は外壁
杉板無塗装 by 魚沼(私の生まれ故郷です)
写真のように施工直後はキレイな木の色ですが、無塗装ですのでどんどん色が抜けて灰色に変わっていきます。
古い建物ですっかりグレーになった木の外壁、見かけますよね?
アレです。
木ですから当然色褪せますが、腐っているのとは全然違うんです。
そんな経年変化も楽しみながら暮らして欲しいという鈴木さんと私の思いで採用しました。
何よりも、こうして建材として使う事で地元魚沼の林業を少しでも応援する事ができるのは、とても嬉しく思います。
それと写真はありませんが、洗面化粧台はモールテックス。
広げた玄関の床は既存の黒っぽいタイルに合わせて炭モルタル。
決して華美ではありませんが、とても素敵な空間が出来たと思っています。
是非実際にご覧になって体感して頂けると嬉しいです!
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