江戸時代から続くと言われる新潟漆器、いわゆる漆工芸の一つです。
引用元:新潟漆器製造株式会社様HPより
漆の食器などでイメージするのが朱色の器や箸などでしたが、実は写真の様な何とも素敵な商品展開をしています。私も最近まで知りませんでしたが…
こちらは「朧銀塗」と呼ばれる技法だそうで、一見金属のように見える仕上がりが特徴的で凄く素敵です。
ちなみに今年の5月に新潟で開催されたG7では各国官僚等への記念品として採用されたようです。日本のお土産としてはピッタリですよね。
その漆塗りの技法をテーブルの天板に用いた「新潟県北 新潟食台」というプロダクトがあります。
引用元:大塚住宅建材株式会社様HPより
テーブル天板全てが朧銀塗!という何とも贅沢なテーブルでございます。
住学仲間である大塚住宅建材さんが主体となって開発された物で、以前の住学で告知をされていたのをみて素敵だなぁと思っておりました。
今回の大野町の長屋の素材を検討している時に、ふと「これはキッチンの天板にも採用できるのでは?」と思い立ち、すぐに連絡をして製作を進めて頂きました。
折角なので、その途中の工程を見学に漆塗り工房にお邪魔しました。
漆を塗り、ススと炭を混ぜた粉末を重ね、研磨して、また漆を塗り、ススを重ねる。
これを10回以上も繰り返すそうです。す、凄い…
400年もの歴史があるのに、知らなかった事だらけ。
いや、知ろうともしてなかった、が正しいですね。
「職人の仕事を作る(場を用意する)のが、我々建築に携わる者の努めだよね」とは私の師匠のお言葉。
県産の木材も
安田瓦も
塗り壁も
そして漆工芸も
今を生きる我々が選ぶ事をやめたら、本当にその歴史が潰えてしまう
そんな時代だと感じています。
漆塗りのキッチンは初めてのチャレンジで、きっと改善点もあります。
決して今回が完成品ではありません。
でも、やったからこそ見えてくる事があります。
知らなかった事を知ると、更に知らない事が増えるんです。
ワクワクドキドキする建築、これからも挑戦していきます。
見学会ではこの朧銀塗キッチンも是非ご体感くださいませ!
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