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笹口の家リノベーション ~はじまりの縁~

更新日:2023年6月20日

笹口の家リノベーション工事について、見学会まで数回に分けて解説などしていきます。

今日はそもそも私が携わることになった経緯と全体の計画について。


施主のKさんご家族は30代のご夫婦と、昨年生まれたばかりのお子さんの3人家族です。

ご主人のおばあちゃんが建てた築44年の家がしばらく空き家になっており、その場所での住まいを考え始めたのが計画のスタートです。


改めて、今回の計画には

ニイガタデザイン 田中さん(土地、計画周りの事)

ネイティブディメンションズ 鈴木さん(設計、デザイン周りの事)

ユー・ハウス工業 五十嵐(施工、現場周りの事)

と3社の協働工事となっております。


施主のKさんと田中さんはKさんが小さい頃から家族ぐるみでの付き合いがあったそうで、まず最初に住まいの相談をしたのが田中さんでした。


そして田中さんと鈴木さんは以前同じ職場で働いていた同僚という縁から、田中さんが鈴木さんに設計での協力要請を持ちかけました。


その後、鈴木さんから「リフォーム、リノベといえば五十嵐」という事で、施工担当として私に声をかけて頂きました。


鈴木さんと私は住学という建築の勉強会に参加しており、これまで仕事での関わり合いはなかったものの勉強会や懇親会でいつも楽しく交流をさせて頂いておりました。


2019年の住学懇親会にて。左の黒縁メガネが鈴木さん、真ん中が住学の発起人であるサトウ工務店の佐藤さん、右の花柄帽子が私。


また、兼ねてより鈴木さんの手掛けるミニストック(小さい家+性能の良い住宅=省エネ住宅)という住宅のシリーズに感銘を受けており、隠れ鈴木ファンでした。


そんな私ですから、今回こうして鈴木さんと一緒に仕事が出来た事は本当に嬉しく思います。


さて、若干脱線しましたがこのように始まった今回の計画、最初にまずは皆で現地を見てみる事から始めました。


道路側から敷地を見た写真。左手前の道路との間には隣家があり、道路からは家が見えにくい状態です。


この敷地はいわゆる旗状土地で、道路に接する部分だけ狭く奥は広がっている、という形状の敷地に建っています。

実際には道路に接する部分の幅が2mより狭い為、このままでは建て替えもできません。

なぜなら、建築基準法で「敷地は道路に2m以上接する事」という決まりがあり、2m未満の敷地では建築確認申請の許可が下りず、建築行為ができません。


とは言え簡単なリフォームなどは可能です。規模が小さければ役所に出す確認申請などが必要がないからです。


今回も結果的にはリフォームになったので申請は不要だったのですが、銀行からリフォームローンを借りて行う工事だったため、銀行側が貸すための条件として既存の状態ではNO!という判断になりました。


この計画において一つ目のハードルが「接道要件を満たす事」

ここに関しては田中さんが担当し、隣地の土地の一部を売って頂く事で接道要件をクリアし、無事に銀行からも借入OKの返事がありました。

ここで例えばお隣の方が「土地は売りません!」と言ったら、その時点でこの計画は進める事が出来ませんでした。

慎重かつ丁寧に交渉を進めて頂いた田中さん、本当にお疲れ様でした。


土地の条件次第では、いくら自分たちの土地だからといってすんなりと計画を進められるとは限らないんですね。

私自身も初めてのケースだったため、大変勉強になりました。



そして既存の建物についてもKさん達にとっては心配な事がいくつかありました。

・築44年という事で耐震、構造的な不安

・経年劣化による水道管の破裂

・延床25坪弱という一般的な住宅よりも狭い事で、満足のいく住まいになるのだろうかという不安。


こういった事から当初は「増築しなければ狭すぎるのでは」と考えていたため、無理に大規模リフォームをするのではなく立て替えても、という事を想定されていたようです。


それらを踏まえて、現地調査を開始しました。

玄関。もうこの写真を見て分かると思うのですが…



廊下。そうです、めちゃくちゃキレイに管理されており数年間空き家だったとは思えない状態でした。


もちろん痛んでいる場所はありますが、玄関や廊下の漆喰壁なんかはこのまま残しても良いくらいキレイな状態でした。



洗面所と浴室。これまで色んなお宅に伺ってきましたが、キレイさでは間違いなくトップクラスです。

一時期は近隣の方に仮住まいとして貸していたそうなので、片付けや掃除がされているのもあるとは思います。


当時の図面も残っており、それを眺めながら構造的にも無理がないと判断しました。


そして気にされていた広さですが、そこは得意分野の鈴木さん。

さっき紹介したミニストックシリーズ、20坪弱のお宅がほとんどなんです。そもそもその名の通り小さい家を前提とした提案ですからね。


色々とヒアリングをしながら、私と鈴木さんの中では「これは増築なんて必要なくて、間取りをちょっと整えれば全然いいよね。いや、むしろちょうどいいよね!」と早い段階で二人で盛り上がっていました。


そんな風に動き始めたこの計画、次回からはいよいよ詳細について書いていきます!


この笹口の家リノベーション、5/27㈯、28㈰に完成見学会を開催します。

ご興味のあり方は是非この機会にご覧ください。

見学の申し込みはオープンハウス予約 ページよりお願い致します。


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